2025.05

「売り手よし、書い手よし、世間よし」こちらでも何度か取り上げている、近江商人が商いの基本とした「三方よし」の精神です。その他にも「勤勉・正直・堅実」を基本理念とし、自分さえよければよいのではなく、売り手も買い手も世間もよくなければないという共存共栄の精神が重視されていました。大坂商人、伊勢商人と並ぶ日本三大商人の一つでもあります。近江日野の商人、中井源左衛門はこのように書き残しています。「人の不自由を〆くくり、他の難儀を喜ぶものなれば、利を得ても真の利にあらず、何ぞ久しからんや」即ち「人を不自由させたり、他人の苦労や困難を喜んだりするような商売ならば、たとえ一時的に利益を得たとしてもそれは本当の利益ではない。どうしてそのような商売が...