薬学業界の未来は安泰ではない…
と最近聞くことが多いように感じます。
しかし私も含め薬学生は実際に現場で働いたこともなければ、経験もなく、実感もなく、ただ目の前のカリキュラムに則った勉強とサークル活動などの学生生活を過ごしていました。
現在私は5回生となり何と無く周囲から聞こえてくることは「まずは病院で働いて勉強しなさい」「大手企業に入っておけば安定する」などの言葉を何の疑問も持たずに聞いているだけでした。
先日とあるご縁を頂き、NTT西日本大阪病院にて天王寺区病薬連携協議会が行われていました。その中で厚生労働省の方からの〝診療報酬改定と薬剤師に対する期待″という内容での講演会に関西薬学生団体paletteとして参加させて頂きました。
「漠然とした知識から起こる不安」
この講演会で特に私が感じたことです。
やはり問題として重点的に挙げられたのはこの2018年4月の診療報酬・介護報酬のダブル改定などについてでした。
薬学部が4年制から6年制になり、医薬分業が全国平均で7割を超えて、2025年問題、医療費の問題が聞かれる中で、私たち薬学生がこれからどういう力をつけて社会に貢献して行けば良いのか、「薬剤師として求められる10の基本的な資質」として文部科学省から明示されていますが、日々の大学生活では、国家試験や目の前の試験に対する声しか聞こえてこない印象もあります。
また、就職についても同様で国家試験優先の風潮が出ていますが、資格は目的ではなく手段である方が個人的には良い進路選択ができるのでは無いかなと思っています。
今回のお話にもありましたが、薬剤師の業界も決して安定していることはなく、それは大きな会社や組織に行くことが正解では無く、「いかに必要とされる薬剤師になっていけるか」と問われているのでは無いかなと感じました。
資格がなければ薬剤師として働くことができない訳ですからもちろん国家試験も大切です。
ですが就職に対してあまりにも安易な考え方が蔓延している状況もpaletteの活動を通して非常に感じます。文科省が明示した基本的な資質もそうですが、AIやロボット化など技術的な進歩もある中で、私が個人的に感じたのは薬剤師として基本的な資質に加えてそこから如何に「自分の特色を活かすこと」なのではないかと感じました。
視野を広く持つ
受動的な学生生活では無く、大学内から飛び出して活動をしてきたからこそ得られたこの機会は私にとっても、漠然としか考えれていなかった将来についてとても深く考えさせられる機会でした。
なんと無く、しかし私の周りでもよく聞こえてくる
「あの業界はこれから○○だ」「とりあえず大手企業に行っておいた方が良い」
「奨学金を返さないといけないから○○にしておく」
など目の前の事だけや偏った視野で見るのでは無くて、しっかりと薬剤師として自分はどういう役割で社会に役立っていけるのか、自分自身をしっかりと見つめていけるような、新たなキッカケを薬学生に提供していけるような活動をこれからも関西薬学生団体paletteは模索し続けます!
一般社団法人関西薬学生団palette学生代表
大阪薬科大学 保田瑠星
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