これからの「在宅医療」に ゆう薬局グループができること

今回は株式会社ユー・ピー・ディーのゆう薬局さんで「在宅医療」1dayインターンシップに参加してきました。

数年後には超高齢化社会が訪れます。「2020年問題」とも言われ、現在の高齢化社会が慢性化し、その分医療費が増えるという問題に直面します。これに対し国は医療費削減対策としてなるべく病院での入院に頼らずに治療を完結させるため、その結果在宅医療が主になります。

在宅医療の現場をみて


在宅に行くに際して、薬剤師は薬のダブルチェックや在宅報告書、ケアマネージャーからの情報を元に準備を進めていきます。そこで薬剤師は現場のみならず、裏方の仕事に対する責任にもとても重きを置いているのだなと実感いたしました。

「在宅」すなわちチーム医療であり、薬剤師としての役割をしっかりと認識しておくことが重要となります。今回2人の患者さんのお宅に訪問させていただきました。

薬剤師と患者さんとの会話を聞いていると、ごく普通の会話のように聞こえますが要所要所に患者さんの状態を聞き出そうというキーワードをうまく利用していることに気づきました。

そして、患者さんにはできる限り一人で物事をするようにし、不可能な場合のみ手伝ってあげていました。その中でも、身体の支えや体位変換を行う時にはかなりの力が必要になり、女性薬剤師では大変そうだと実感しましたが、現場の女性薬剤師さんは患者さんを移動させる板などを利用し、工夫されていたので必要な力は軽減されていました。

また患者さんの体調や病気の進行に合わせた服用経路等を患者さんと一緒に考え、担当主治医に提案するように在宅報告書にも書かれていたので、ここにもチーム医療としての役割分担がしっかりとなされていると実感いたしました。

現在、在宅医療の問題点として24時間365日体制で行わなくてはならないため、従来の薬局の営業時間や業務時間とは全く異なる体制になり、在宅訪問業務に対応できる薬局や薬剤師が不足していることなどがあります。しかし、ゆう薬局さんでは地域に特化しているため薬剤師の数は在宅を行っていくには十分です。また、山を越えてまでも在宅訪問をされていることには驚きを感じました。

このように、過疎地に行けば行くほど在宅医療を必要とされている方がいるため、将来的には地域に特化した在宅はより必要になると思われます。

他職種連携勉強会に参加して


在宅医療インターンシップ後に地域での在宅に関わる職種の方々による勉強会に参加させていただきました。

勉強会では、まず1つのテーマについて座学により知識を深めた後に、医師、看護師、検査技師、薬剤師による症例検討でのグループディスカッションを行いました。このグループディスカッションでは各職種からの視点によって見方が違い、これこそチーム医療の象徴なのだと思いました。この、各職種から得られる新たな視点をたくさん経験することで薬剤師のスキルも向上します。

また、この勉強会を通じて普段会話することができない者同士が意思疎通することが可能とあるので、在宅をしていくうえでのクオリティーの向上にもつながるため、このような勉強会や情報収集の場を地域で作っていくことは大切です。

そして、地域に特化した在宅医療をより組織的に行えるようになれば、2020年問題に直面した時により柔軟に対応できるのではないでしょうか。

そこで私が思ったことは、2020年問題に対して薬剤師としていろいろとすべき事、できる事がもっともっとあるはずだと思い、薬剤師としての可能性の大きさを実感しました。

株式会社ユー・ピー・ディー

取材メンバー:神戸薬科大学 菅濱誠人

一般社団法人関西薬学生団体palette

薬学生のこれからを考えたい

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